9月県議会一般質問④「不登校の児童・生徒の居場所づくり等について」
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最後の4点目が、不登校の児童・生徒の居場所づくり等についてです。児童・生徒への対応はこれまでも様々な場面で必要性が強調されてきたところですが、後段の不登校の児童・生徒をもつ保護者への支援の重要性について、特に力点を置いて質問しました。
【Q】
本県内の不登校の子供の数は、2023年度に3957人と、記録が残る2009年度以降で最多となりました。
内訳をみると、小学校が1284人、中学校が2286人、高校が387人で、前年度より579人増えています。先般、文部科学省がまとめた「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」では、「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える」ことの重要性が示されており、各自治体に対応が求められています。
今回取り上げるのは、近年、都市部の学校を中心に広がり、注目を集めている校内フリースクールの取組です。校内フリースクールとは、主に不登校や学校になじめない子どもたちに対し、個別最適な学びの場を提供するものです。通常の教室とは異なり、空き教室等を利用して運営され、学習内容は子ども自身が設定。登下校の時間も自由で、例えば通常の授業に1時間だけ参加して残りは校内フリースクールで学習するといったことも可能です。
広島県では県教育委員会の主導で2019年度、11の指定校に集団での学びになじみにくい子供でも通いやすいようにスペシャルサポートルーム、いわゆる校内フリースクールを設置しました。私もそのうちの1つを拝見しましたが、玄関を通らずに教室に入ることができ、カラフルな家具が設置されていて通いやすい雰囲気であるなど、およそ教室とは思えないつくりに驚きました。
また、愛知県岡崎市では、FIT(適応)、FREE(自由)、FUN(喜び)、FUTURE(将来)の頭文字をとったF組を市内の学校に展開し、設置校は非設置校よりも長期欠席者の増加率が抑制されているというデータもあります。
下関市では不登校の子供に特化した「学びの多様化学校」を来年4月1日に開講する予定で、これが校内フリースクールに類似の事例かと思いますが、本県では、民間のフリースクールが7つあるものの、公立学校に設置された例はまだありません。不登校の児童・生徒数は増加傾向にあり、子供の居場所づくりは喫緊の課題であると認識しています。
一方、不登校の子供を抱える親への支援も重要だと考えます。民間の調査では、不登校の子供を抱える親の2人に1人が孤独を感じており、体調不良になったのは26%、精神科を受診したのは15%、19%は望まない離職を余儀なくされたとのことです。
文部科学省は今年度から、自治体による相談窓口の設置を後押しするなど、保護者への支援体制を強化しています。親の安定は子どもの安定にもつながると考えられ、県としても不登校の子どもへの支援はもとより、親への支援を考えるフェーズに入っているのではないかと考えます。
そこで、2点お尋ねいたします。1点目は校内フリースクールの導入を含めた不登校の子どもたちの居場所づくりについて、2点目は不登校の子供を持つ親への支援について、それぞれ県教委としてどのように取り組まれるか、ご所見をお伺いいたします。
【A】
まず、校内教育支援センターの設置を含めた不登校の子どもたちが学ぶための居場所づくりについてです。
本県における不登校児童生徒数は、令和5年度に過去最多を記録するなど、深刻な状況であり、お示しのとおり、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整えていくことが重要であると考えています。
このため、県教委では、学ぶための居場所づくりに向け、今年度、小中学校内に「校内教育支援センター」を新たに設置する市町に対し、相談支援等を行う支援員の配置に係る補助制度を創設したところであり、その設置を促進しています。
また、公立中学校において、専属教員を中心に、個に応じた学習支援等を行う「ステップアップルーム」の設置については、利用生徒の半数以上が教室に復帰するなどの大きな効果があることから、昨年度の25校から今年度は35校に拡大したところです。
さらに、「学びの多様化学校」については、授業時間を柔軟に設定できるなど、学校に行きづらい児童生徒にとって、有効な学びの場の一つであることから、来年度の開校を計画する下関市に対して、子どもたちのニーズに合った教育課程の編成や教職員の配置など、組織・体制づくりを支援しています。
次に、相談支援の充実など不登校の子どもを持つ保護者への支援についてですが、議員お示しのように、保護者が悩みを抱え込むことがないよう、相談体制の充実を図る必要があると考えています。
このため、県教委では、保護者等に対して、電話による24時間の相談窓口等を設置するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる相談支援を行っているところであり、引き続き、保護者の不安を和らげることができるよう、寄り添った対応に努めてまいります。
また、本県の強みであるコミュニティ・スクールの仕組みを生かし、子育ての悩みを抱える家庭を訪問して相談対応などを行う家庭教育支援チームと、学校等との連携による支援体制の構築にも取り組んでいるところです。
県教委といたしましては、今後とも、市町教委等と緊密に連携し、不登校の児童生徒の学びの場の確保やその保護者等への支援の充実など、不登校対策にしっかりと取り組んでまいります。